こどもの遊び

タイ

バトプテ村にはこどもがたくさんいる。学校や幼稚園が終わる頃になると、村のそこかしこから賑やかにはしゃぐ声が響いてくる。どこの家のこどもなのか、顔を見れば村の人たちには一目瞭 然のようだ。駆けてゆくこどもに「どこ行くの(こんにちは)」と 声をかけながら、大人たちはさりげなく見守っている。

干潮時の時だけできる遊びもある。潮が引いて村の前の海底があらわになると、貝掘りをすることができる。こどもたちは金属製 のスプーンやレンゲ、お玉と袋を持って貝掘りに出かけてゆく。 貝掘りは、その日のおかずを獲る「仕事」とも言えるが、簡単で、 かつ、宝探しにも似た楽しさがあることから、「遊び」の要素も大 きい。

さて、こどもたちは遊びの途中、疲れておなかがすいたり喉が渇いてくると、自分の家にひょっこり戻ってくる。すると、たいてい 母親は家事の手を休めて、お菓子を食べさせたり、商店でおやつを買うためのおこづかいを渡す。 わたしが滞在していたお宅には 7 歳と5歳の 2人の男の子がいた。奥さんは、こどもたちが「おなかがすいた」と家に戻ってくる タイミングがいつもより遅いと、様子を見に近所へ出かけて行く。 まず、いつも一緒に遊んでいる向かいの家のこどもの家を覗く。 すると、スマホゲームをしているひとりのこどもを取り囲んで夢中になって画面を見つめていた。最近、手を離せないときにこど もがぐずって、やむなく子守役としてスマホを手渡すことがある そうだが、彼女としてはできるだけスマホで遊ばせたくないと考えている。その日は、ひとまずこどもたちを家に連れて帰った。

村を歩いていると、こどものいる家の居間のテレビでは、アニメ・ チャンネルがついていることが多い。タイ製作ではない海外アニメを中心に、「トムとジェリー」、”Ben”、”Powerpuff Girls”、「名 探偵コナン」… 。数え切れない種類のアニメが放映されている。 アニメ以外のこどもたちのお気に入りは、恐竜や動物が出てくる ドキュメンタリーや洋画のチャンネルとのことだった。

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